食べるということ

私の身近な友人のおかげで「食べること」について深く納得することがありましたのでご紹介します。

Aちゃん(友人)は、もともと食べることが大好きでした。二人でいろいろなところへ行って美味しいものを食べ、満面の笑みで「うまーい!」と叫ぶことがお決まりでした。

先日、3年振りくらいにAちゃんに会いました。久々に会ったAちゃんはとても痩せていて頬がこけ、目の下にはクマ、足も棒のようになっていました。私は恐る恐る、どうしたの?と聞いてみました。Aちゃんは「だいぶ脂肪がついちゃったからさ、筋トレ始めたの!おかげで痩せてきたし、いい感じ!」と明るく話してくれました。その日は、Aちゃんの家でランチをすることになっていました。私は手作り料理を3品ほど持っていきました。ところがAちゃん、「ごめん、それ食べられないんだ」と言って、自分で用意した食事を食べ始めました。蒸した長ネギやキャベツやもやしなどの野菜、おかゆ少し、ゆでたまご、ボイルした鶏むね肉。。。味つけは出汁だけで、ほとんど付けていないそう。正直美味しそうではありません。

かつて二人で「美味しい~!」と言ってモリモリ食べていたことを思い出すと、このときのAちゃんはなんだか辛そうでした。あんなに食べることが好きだったのに、今は我慢して食事をしているように見えて悲しくなりました。

食後、Aちゃんに「ねぇ、食事、美味しかった?」と聞くと、「味がほとんど無いから美味しいとは言えないかな。でもね体を作る最低限の栄養は摂ってるし、筋肉も増えてきたから。まだまだ頑張らなきゃ!」と言うのです。見る限り、筋肉が増えているようには見えません。

親友として、ズバリ言いました。

健康的な痩せ方ではない、どちらかというと不健康、食事が苦痛でいいの?、満面の笑顔で美味しい!というAちゃんが見たい、ふたりでまた美味しい食事をモリモリ食べたい、、、

最初は少し反抗的な態度だったけど、だんだん気持ちを話してくれたAちゃん。

人にはコンプレックスがあると思います。そのコンプレックスの重みは他人ははかり知ることができません。Aちゃんにも大きなコンプレックスがありました。それを自分で何とかしようとして、食事制限にたどり着きました。そんな話を聞いて私は泣けてきました。ふたりで泣きました。

その2週間後、彼女と会いました。

あの時とは全然違う、顔色が良く、声にも張りがある明るい姿でした。聞くと、あれから食事制限を少しゆるやかにして、ごはんやお肉を食べるようになったこと、薄味ではあるけれど調味もちゃんとして美味しいと思える食事に戻したこと、何より、家族と「美味しい!」と会話を楽しみながら食事ができるようになったこと。まだ痩せてはいるけれど、食事の目的は栄養を摂るだけではない、心を穏やかに保つことにもつながっているということを再認識してくれたことが本当に嬉しくてたまりませんでした。私も食事の意味について深く納得することができて、Aちゃんに感謝です。Aちゃん、きっと元の素敵な女性に戻ると思います。

また食事行こうね!と言って笑顔でバイバイしました。

▼摂食障害(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_eat.html